小型Linuxサーバー機を内蔵したATX電源
小型Linuxサーバー機を内蔵したATX電源
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 ニプロンは,ネットワーク通信機能を内蔵したコンピュータ用ATX電源を,2009年に出荷する。小型のLinuxサーバーを電源に埋め込んでいる。これにより,停電やコンピュータ本体のハングアップなどを検知した際に,シャットダウンさせたり再起動したりするなど運用が可能になる。2008年5月14日にデータストレージEXPOで参考展示した。価格は,電源部分が2万~3万円程度,Linux搭載コンピュータ部分が2万円程度という。

 同社が新たに用意する電源は,停電や温度/出力FANの異常といった電源ユニットの稼働状況を常時監視し,メール送信やWebインタフェース,SNMPエージェントなどを介して,コンピュータに通知する。電源を利用しているコンピュータに対して定期的にPingを発行し,システムがダウンしていたら電源を入れ直すといった運用も可能だ。ただし,停電時に動作させるには,バッテリーなどの非常用電源を併用する必要がある。

 ネットワーク接続ポートの形状はRJ-45で,100BASE-TX/10BASE-T。ストレージ領域は512Kバイト(ユーザー領域は384Kバイト)のフラッシュ・メモリー,RAMが256Kバイト。Linuxをベースとしているため,新規のアプリケーションを搭載可能である。TCP/IPスタックやSNMPエージェント,HTTPサーバー,Webベースの管理GUI画面,SMTPメール送信機能,TFTPによるファイル転送機能などは標準搭載している。

 同社では,コンピュータ設備を用いた商業店舗などにおいて,店員が店舗の電気を落としたことをトリガーに,自動的にコンピュータの電源をシャットダウンする,といった用途を狙っている。