ヤフーは2008年5月14日、フルハイビジョンテレビ向けインターネットサービス「Yahoo! JAPAN for AQUOS」を5月29日から始めると発表した。地図、絵本、高級宿泊施設の情報など、高精細なテレビ画面に最適化した12のサービスを提供。将来的には、広告、有料サービスなどによる収益化を目指す。
サービスは、シャープの液晶テレビ向けポータルサイト「AQUOS.jp」を通じて提供。現時点では、同社のフルハイビジョンテレビ(2006年以降に発売された15機種)から利用できる。開始当初のメニューは「地図」「テレビでえほん」「Yahoo!トラベル 旅上撰」「テレビdeクッキング」「シカクいアタマをマルくする。」「スライドショー」「ニュース」「天気」「検索ランキング」「映画情報」「Yahoo!オークション 人気キーワードランキング」「Yahoo!ショッピング 売れ筋商品ランキング」の12サービス。今後、動画配信やオークションなどといったサービスの拡充を検討する。
ヤフーは今回のサービスを、(1)個人ではなく家族でリモコンで使うテレビ向け、(2)毎日使ってもらえる、(3)フルハイビジョンの高画質やBGMなどテレビの特性の3点を意識して開発したという。
東京都内で開かれた記者会見で、ヤフー取締役最高執行責任者の喜多埜裕明氏は、「テレビは複数で見るので人数、台数と数え方はいろいろあるが、シャープと協力して今後1年間で100万という規模を達成して、ビジネス展開を検討していきたい」と目標を語った。ただ、収益化の面では開設当初から、絵本のメニューで「こどもイラストコンクール」を開催した三井住友銀行がスポンサーとなり、入賞作品を掲載している。
テレビ向けインターネットサービスでは、松下電器産業、ソニーなどが出資するアクトビラが動画配信などのサービスを提供している。シャープもアクトビラへ出資するが「テレビをネットにつなぐような新しい事を始めるには、協調と競争の両面がいる。アクトビラは(他テレビメーカーと)協調するベーシックなサービスで、ヤフーとの新しい提案による競争も同時にないと、新たな世界は開けない」(シャープ取締役研究開発本部副本部長の千葉徹氏)と、両者の位置付けを語った。
■関連情報
・「Yahoo! JAPAN for AQUOS」プロモーションページ http://aquos.yahoo.co.jp/