富士ゼロックスは5月14日、東京ビッグサイト(東京・江東)で開催中の「情報セキュリティEXPO」のブースにおいて、電子文書のセキュリティを向上させるための新技術を参考出展した。新技術の名称は「Document Security & Traceability」。電子文書の管理サーバー向けのソフトで、紙文書の利用・閲覧制限などの設定を電子文書にそのまま適用できる。結果としてセキュリティ向上を期待できるという。

 電子文書管理の事前設定は、複合機などでスキャンする前の紙の文書に「極秘」「社外秘」といった市販のスタンプを押せば済む。文書管理サーバーでその印影を認識し、それぞれのセキュリティ・レベルに合わせて自動的に各種の設定を実施する。例えば、権限のない社員には閲覧させない、閲覧はできても印刷させない、といったことが可能になる。ただし、使用するスタンプの印影と利用ポリシーをあらかじめサーバー側に登録しておくことや、ICカードを用いた個人認証の仕組みなどを別途用意しておくことが必要になる。

 Document Security & Traceabilityは、スタンプの印影を認識する技術と、スキャンした際に文書に特有の番号を付与し、その番号に基づいて文書を管理する技術からなる。複合機とサーバー・ソフトをセットにしたソリューション商品として売り出す方針で開発を続けているが、市販化の時期は未定。「サーバー・ソフトの機能を部分的に複合機に盛り込む可能性もある」(青沼英一 研究開発本部マネジャー)という。