NTTドコモは2008年6月23日より、同社が提供するポータルサイト「iMenu」の一部カテゴリーを、サイト運営企業による入札価格によって掲載順位を決める方式に変更する。サービス名称は「プレミアムメニュー」で、ディーツーコミュニケーションズが提供。最低入札価格は1カ月当たり1万円からで、1万円単位での入札となる。

 入札対象となるのは、「働く/住む/学ぶ」「着うたフル」「着うた/着モーション」「着信メロディ/カラオケ」「メロディコール」「待受画面/フレーム」「ゲーム」「占い/診断」「コミック/書籍」「デコメール」の10カテゴリー。

 これらのカテゴリーでは、登録サイト一覧が並ぶ画面に進む前に、中カテゴリーで分類された第2階層ページが用意されている。例えば、「働く/住む/学ぶ」カテゴリーであれば「アルバイト/パート」「派遣」「就職/転職」といった中カテゴリーが並ぶ。現行ではこのページに、カテゴリー内で利用者数の多い上位3~4サイトが表示されている。

 プレミアムメニューの開始によって、このサイト一覧が広告枠として販売されることになり、掲載順位の表記はなくなる。ただし、第3階層目に当たる登録サイト一覧ページは、現行通り利用者数順で表示する

 企業によるアカウント登録開始は6月2日を予定しており、初回入札期間は6月10日から12日を予定。初回の掲載期間は6月23日から7月22日。2008年9月以降、「動画/ビデオクリップ」「きせかえツール」の2カテゴリーを新たに入札対象に加える予定だ。

 コンテンツ提供事業者の間では、NTTドコモによる今回の広告枠販売に賛否両論の声がある。登録者が少なく、従来、掲載順位が低かったサイトにとっては広告費用をかけることで登録者獲得が見込める一方、従来の仕組みで長年登録者数を増やしてきたサイトにとっては新たなプロモーション費用が必要になるため、到底歓迎できる仕組みではない。

 既に着うたやゲームなど人気カテゴリーにおいては、入札制による掲載料金の高騰化を懸念する声が出てきており、自ら集客力を持つ大手コンテンツ提供事業者のキャリア離れが加速する可能性も高い。

 グーグルとの提携、企業サイト誘致(関連記事)と次々と策を打ち、ケータイ広告市場の拡大を推進するNTTドコモ。今回の「メニュー広告化」は、これまでiモード拡大を支えてきたコンテンツ提供事業者には突然で、一方的なルール変更といえるため、反発が出るのは必至だ。