沖電気工業(OKI)は2008年5月12日,携帯端末向け地上デジタル放送「ワンセグ」受信機向けのワンチップLSI「ML7147」を開発し,同日にサンプル出荷を開始したと発表した。佐鳥電機(本社:東京都港区,社長:植田一敏氏)と共同で開発したもので,現在二つのチップ(RFチューナーICとOFDM復調LSI)で構成されているワンセグ受信機のフロントエンド部を一つのチップに統合し,小型化と省電力化を実現した点が特徴である。RFチューナー機能やOFDM復調機能,誤り訂正機能などを持つ(発表資料)。

 OKIによると,現在ワンセグの受信に対応する商品を開発している携帯電話機メーカーや,ポータブルDVDやポータブルTVなどのポータブル電子機器のメーカーには,商品の小型化や薄型化,低コスト化を求める声が強くあるという。OKIは,「(ML7147の採用によってワンセグ受信機の開発に必要な)コストの低減に効果がある。また新規開発したRF回路により優れた受信感度を実現するとともに,独自のアルゴリズムを採用したOFDM復調機能によって,高速移動時でも快適なテレビ視聴を可能にした」としている。

 なお今回の新製品は,「第11回組込みシステム開発技術展」(2008年 5月14~16日開催)の佐鳥電機のブースで展示される。