NTTデータは2008年5月9日、08年3月期決算を発表した。売上高は前年比2.8%増の1兆744億円、営業利益が同6.3%増の959億円。売上高営業利益率は8.9%で、目標の8.8%を上回った。連結子会社の拡大に加え、既存子会社も好調なことが増収増益につながった。

 今回は08年~10年3月期の中期経営計画を発表してから初の決算発表となる。10年3月期までに、増収増益の維持と売上高営業利益率10%到達を掲げている。山下徹代表取締役社長は08年3月期の実績について「おおむね計画通りに推移した」と評価する。

 ただしNTTデータは08年3月期、初めて受注損失引当金を計上した。山下社長は「受注プロセスでの見方が甘く、株主、顧客、社員に多くの迷惑をかけた」としたうえで、「無理な受注をせずに、1つひとつの仕事をしっかりこなして利益率を高めていきたい」と話す。

 売上高の内訳は金融が前年比29.7%増の4210億円。公共と法人はそれぞれ同12.7%減の3005億円、同6.7%減の3248億円だった。金融の増収と公共の減収は、07年10月の日本郵政公社民営化に伴い、郵便貯金サービスの分野を公共から金融に変更したためである。

 09年3月期の目標としては、売上高が前年比4.2%増の1兆1200億円、営業利益が同9.5%増の1050億円、売上高営業利益率9.4%を掲げる。山下社長は目標を達成するために「ヘルスケアなどの新規分野や新規業務の開拓に力を入れていきたい」と語った。