トレンドマイクロは2008年5月8日、2008年4月中に同社に寄せられたウイルス報告などを集計して発表した。2008年4月は、USBメモリーなどのリムーバブルメディア経由で感染を広げるウイルス(USBウイルス)の報告数が“トップ”。2008年2月以降、3カ月連続で首位の座を守っているという。
トレンドマイクロでは、同社のサポートセンターに寄せられた「不正プログラム(ウイルス)感染被害報告件数」を集計し、毎月公表している。ここでの「感染被害報告」には、ウイルスを発見しただけで、実害がなかったケースも含む。
2008年4月の報告数は3450件で、同年3月の4029件から減少した。報告数が最も多かったのは、同年2月および3月と同様に「MAL_OTORUN1(オートラン)」で110件(2月は58件、3月は138件)。
MAL_OTORUN1は、リムーバブルメディア経由で感染を広げるウイルス「WORM_AUTORUN(オートラン)」が作成する悪質な設定ファイル(autorun.inf)。このMAL_OTORUN1とWORM_AUTORUNが仕込まれたリムーバブルメディアをWindowsパソコンに挿入すると、WORM_AUTORUNがパソコンにコピーされて感染する恐れがある。このWORM_AUTORUNについても4月中には12件報告され、7位に“ランクイン”している。
このため同社では、「リムーバブルメディア経由の感染が定番化している」として、改めて注意を呼びかけている。
そのほか4月の特徴として、パソコン画面上に勝手に広告を表示する「アドウエア」と呼ばれる種類のウイルスが、多数報告されたことを挙げる。4月に初めて出現した「新規ウイルス」の3割以上が、アドウエアに分類されるウイルスだったという。