The PRADA Phone by LG(NTTドコモの機種名は「L852i」)
The PRADA Phone by LG(NTTドコモの機種名は「L852i」)
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高級感を演出するパッケージ
高級感を演出するパッケージ
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 韓国のLG電子は2008年5月8日,イタリアのファッション・ブランドPRADAと共同開発した携帯電話機「The PRADA Phone by LG」を日本市場に投入すると発表した。NTTドコモの販売網を通じて,6月にも発売される見通しだ。

 同電話機は,2007年2月に開催されたモバイル展示会「3GSM World Congress(今年からMobile World Congressに改称)」で発表していたもので,日本は45カ国目の発売国となる。国内での販売価格は未定とするが,欧州では約9万円,アジアでは約11万円で発売されており,日本で同程度の価格帯が見込まれる。高価格帯の商品ということになるが,既存の44カ国合計で80万台を売り上げているという。今回の商品に「数は追わない」という両者だが,「未発売の日本と米国を除いてこれだけ売れたことは素晴らしい」(PRADAの事業開発ディレクター ジャコモ・オヴィディ氏)と,内部での評価は高いようだ。オヴィディ氏によると,後継商品も企画中だという。

 都内のPRADAショップで会見に臨んだLG電子のマ・チャンミン常務は,「新商品を通じて,消費者に新しいユーザー体験を提供したい」と語った。PRADA製品と同様,購入時に製品の梱包パッケージから取り出すときの楽しみや,モノトーンのメニュー画面やタッチスクリーンに代表される製品自体の高級感などをユーザーに訴求するという。本体は厚さ12.7mmと薄型で3インチ型のワイド QVGA 液晶パネルを搭載する。通信速度は最大7.2Mビット/秒で,フルブラウザ機能や音楽・映像配信機能もついており,カメラには200万画素のCMOS撮像素子,レンズにはシュナイダー・クロイツナッハ製を採用する。

 最初の発表から日本市場への投入まで1年以上が経過している。日本市場への投入が遅れた理由として「日本のユーザーは機能や品質への要求が高く,開発に時間がかかったため」としている。こうした時間差は,いずれ改善される見通しだ。NTTドコモは,携帯電話機向けの統合ソフトウエア「オペレータパック」の開発を進めている。同ソフトウエアでは,世界中のどの市場でも必要なソフトウエアと,事業者固有のソフトウエアを分離した構造になっている。これが完成すれば,海外メーカーが国内市場向けに製品を投入する際の垣根はぐんと下がる。