マイスペースの大蘿(たいら)淳司社長
マイスペースの大蘿(たいら)淳司社長
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 「商品の宣伝や広報、販促などを目的としたWebサイトを、各企業が所有する意義は急激に薄れている」。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)のMySpace Japanを提供するマイスペースの大蘿(たいら)淳司社長はこう語る。

 同社は主に音楽のアーティストが自己表現をする場としてSNSを提供しており、全世界では800万組、日本版のMySpace Japanにも4万組のアーティストが登録している。小室哲哉、YOSHIKI、ウルフルズ、平原綾香などのメジャー・アーティストも「当方が確認できているだけで1000組以上はいる」(大蘿社長)という。アーティストの投稿を読みたいファンも登録するので、ユニーク・ユーザーは全世界で1億人を超える。

 これまでは、メジャー・アーティストであれば、レコード会社などが所属アーティストのマーケティング・サイトを運営するのが通例だった。しかし、「世界の音楽ファンに発信できる」「SNSのほうがファンとの双方向コミュニケーションがしやすい」などと考えるアーティスト、「まだ新人なのでWebサイトを用意する費用がない」「著作権管理の日本音楽著作権協会(JASRAC)との契約関係をMySpaceに任せられる」などと考えるレコード会社が、自社でのサイト運営からMySpaceに切り替え始めているという。

 加えて大蘿社長は「自社運営の意義が薄れているのは音楽業界だけではない」と話す。すでに映画の配給会社と協業して、映画のプロモーション・サイトをMySpace上に用意している。「自動車など他の業界にも協業を広げていきたい」(大蘿社長)という。