米Sprint Nextelと米Clearwireは米国時間2008年5月7日,両社の次世代無線通信事業を統合した新会社を設立することで最終合意に達したと発表した。新会社は名称を「Clearwire」とし,全米にわたるモバイルWiMAXネットワークの普及促進に取り組む。また,米IntelのIntel Capital,米Google,米Comcast,米Time Warner Cable,米Bright House Networksが合計32億ドルを新会社に出資する。

 ちなみにSprintとClearwireは2007年,モバイル・ブロードバンド・ネットワークの共同構築計画を白紙撤回した経緯がある(関連記事:SprintとClearwire,WiMAXネットワーク共同構築の提携を撤回)。

 新会社はワシントン州カークランドに本社を置き,消費者やあらゆる規模の企業,公安機関,教育機関に向けた真のモバイル・ブロードバンドを提供するとしている。Clearwireの40万人近い無線ブロードバンド・ユーザーとSprintのモバイルWiMAXサービス「XOHM」を基盤にする。新会社の強みは「通信技術,チップセット開発,インターネット広告,コンテンツ配信といった分野の主要企業が戦略的出資者となっていることで,第4世代通信サービスにおいて他社より早く市場投入できること」と,SprintとClearwireは説明している。2010年末までに,米国内の1億2000万~1億4000万人をカバーするネットワーク展開を目指す。

 新会社のCEOには,現ClearwireのCEOであるBenjamin G. Wolff氏が就任し,社長にはSprintのCTOでXOHM事業責任者であるBarry West氏が就任する見通し。Sprintが新会社の全株式の約51%を保有し,現Clearwireが約27%を保有する。残る約22%はIntel CapitalやGoogleをはじめとする5社に割り当てられる。手続きは2008年第4四半期に完了する見込み。

 新会社はGoogleが推進するモバイル・プラットフォーム「Android」をサポートし,Googleと協力してモバイルWiMAXデバイス向けのアプリケーション,インターネット・サービス,広告サービスの開発を進める。また,Sprint,Comcast,Time Warner Cable,Bright House Networksと4Gネットワークにおけるホールセール契約を結ぶ。

 そのほかSprintは,自社のモバイル・サービスでGoogleの地域検索サービスをデフォルト機能として導入することなども明らかにした。

[発表資料(1)] [発表資料(2)]