日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は,サーバー仮想化ソフト「VMware ESXi」を汎用USBメモリーに格納した製品「HP ProLiant iVirtualization」を,2008年5月下旬に出荷する。利用可能なサーバー機は同社製の全10機種。これらの機種とのセット販売となる。HP ProLiant iVirtualization単体の税込み価格は,基本機能に限定したStandaloneが3万9900円から,機能上位版のEnterpriseが79万8000円から。

 HP ProLiant iVirtualizationは,サーバー内蔵用に機能を絞り込んでサイズを抑えたサーバー仮想化ソフト「VMware ESXi」を,USBメモリーに格納した製品である。USBメモリーからブートできるサーバー機に接続して利用する。VMware ESXiに加え,サーバーの稼働状況などを監視/管理する米Hewlett-Packard製運用管理ソフトのエージェント機能なども含む。

 最大の特徴は,USBメモリーという実装方法によって,既存のサーバー機の製品ラインをそのまま利用して,サーバー仮想化ソフトを最初から組み込んだサーバー機を実現できる点である。VMware ESXi搭載モデルなどの独立した製品ラインを用意する必要がないため,サーバー機の選択肢が広がる。この背景には,同社のサーバー機が標準で内部にUSBポートを備えているということがある。具体的には,ブレード・サーバーやラック・マウント型サーバーなど同社の既存のサーバー機の製品ライン全10機種で利用できる。

 なお,すでに所有しているサーバー機と組み合わせて使うためにHP ProLiant iVirtualizationを単体購入することはできない。このサーバー仮想化製品は,VMware製ソフトウエアをHPブランドでOEM販売するという位置付けになる。OEM契約上,ソフトウエア単体での販売はせず,新規ハードウエアとのセット販売となる。