写真1●独SAPの年次カンファレンス「SAPPHIRE」が米フロリダ州オーランドで開幕
写真1●独SAPの年次カンファレンス「SAPPHIRE」が米フロリダ州オーランドで開幕
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写真2●展示会場の風景
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写真3●展示会場の風景
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 独SAPの年次カンファレンス「SAPPHIRE 08 Orlando」が2008年5月5日(現地時間)、米フロリダ州オーランドで開幕した。SAP版SOA(サービス指向アーキテクチャ)の「Enterprise SOA」にかかわる新製品の発表や、ユーザー事例などの発表がある。

 ヘニング・カガーマンCEO(最高経営責任者)は、「これまでSAPPHIREでは、SOAの重要性を語ってきた。だが、もはやSOAは当たり前の考え方となっている。今年はSOAを前提としたうえで、ビジネス・スピードの向上に貢献する製品やサービスを提示する」と展望を語った。5月7日までの3日間で1万5000人の参加を予定している(写真1)。

 初日の5日には、インド(印)のITベンダーであるサティヤム コンピュータ サービスとグローバル・サービス・パートナー契約を結んだと発表した。グローバル・サービス・パートナーの条件は、全世界でSAP導入のコンサルティング・サービスを提供できること。同契約を結んでいるITベンダーは全世界で20社弱しかない。米国ではIBMやアクセンチュア、日本では富士通のみが同契約を結んでいる。印のITベンダーとしては、タタ・コンサルタンシー・サービシズ、ウィプロに続いて3社目の契約となる。

 SAPPHIREの展示会場でも、印ベンダーの出展が目立った。タタやウィプロ、サティヤムが、IBMや富士通と並んで大きなブースを展示。インフォシスやパトゥニ・コンピュータ・システムも大規模な展示スペースを設けていた。日本からは富士通のほか、アビームコンサルティング、日立コンサルティングなどが出展している(写真2、3)。

 SAPは中堅企業向け市場について、IBMや米ヒューレット・パッカード(HP)との提携強化も発表した。IBMの提携では、IBMのPCサーバー「System X」やブレード・サーバー「Blade Center」にSAPの中堅企業向け製品「SAP Business All-in-One(A-One)」を組み合わせて提供。一方、HPとはOSに「SUSE Linux」、データベースに「Max DB」を利用したシステムにSAP A-Oneを組み合わせて提供する。

 SAPによると中堅・中小市場向け売り上げは1年間で28%の伸びを記録し、同社の顧客企業の75%を占めているという。08年第1四半期(08年1~3月)が終了した時点で、中堅・中小企業の顧客数は3万5688社。内訳は中堅向けのA-Oneが1万1700社、中小企業向けの「SAP Business One」が同1万8690社、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)として提供する「SAP Business ByDesign」が同150社としている。