写真1●わずか799ドルの10Gビット・イーサネット・アダプタ「Intel 10 Gigabit AF DA Dual Port Server Adapter」
写真1●わずか799ドルの10Gビット・イーサネット・アダプタ「Intel 10 Gigabit AF DA Dual Port Server Adapter」
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写真2●10Gビット・イーサネットでFC,iSCSI,ファイル共有のすべてを統合
写真2●10Gビット・イーサネットでFC,iSCSI,ファイル共有のすべてを統合
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写真3●8000Mビット/秒のデータ転送が可能
写真3●8000Mビット/秒のデータ転送が可能
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 米Intelは,2008年4月27日~5月2日にかけて開催している「Interop Las Vegas」の同社ブースで,価格が799ドルと安価な10Gビット・イーサネット・アダプタ「Intel 10 Gigabit AF DA Dual Port Server Adapter」を出展した。ブースではイーサネットでファイバ・チャネル(FC)通信を伝送する「FCoE(ファイバ・チャネル・オーバー・イーサネット)」も実演し,10Gビット・イーサネットをストレージ接続に売り込む方針を示している。

 Intelが出展した10Gビット・イーサネット・アダプタ(写真1)は,PCサーバーの「PCI Express x4/x8」スロットに搭載するタイプのもので,10Gビット・イーサネット・ポートを2個備えている。ケーブルには銅線を使用するため「サーバー・ラック内での配線に使用するケーブルであれば,わずか50ドルだ」(Intelの説明員)としている。

 Intelが10Gビット・イーサネットの用途として売り込んでいるのは,ストレージ接続である(写真2)。同社では米Cisco Systemsや米EMC,米IBM,米Sun Microsystemsなどと共に,ファイバ・チャネルの通信をイーサネットで伝送するFCoEを推進している。FCoEに対応したスイッチとしては,すでにCisco Systemsが「Nexus 5000シリーズ」を発表しており,InteropのIntelブースでも,Nexus 5000シリーズを使ったFCoE通信を実演した。Nexus 5000シリーズは当然のことながら,iSCSIやファイル共有といったTCP/IPを使う他のストレージ技術にも対応しており,「10Gビット・イーサネットを使えば,FC,iSCSI,NASのすべてを,イーサネットで統合できる」(Intelの説明員)とアピールする。

 FCoEを使用するためには,iSCSIと同様にサーバーOSに「イニシエータ」と呼ばれるソフトウエアをインストールする必要がある。IntelではLinux用のイニシエータを2008年7月に,Windows用のイニシエータを2008年下期にリリースする予定で,ブースでは評価版を使用してFCoEを実演していた。このデモでは,FCoEを使用して8000Mビット/秒というデータ転送を実現していた(写真3)。

 同社では「10Gビット対応のFCアダプタが数千ドルするのに対して,10Gビット・イーサネット・アダプタはわずか799ドル。ケーブルも10Gビット・イーサネットなら銅線が利用できるので,コストは大幅に安い」(Intelの説明員)と,FCoEのコスト・パフォーマンスを強調している。