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Microsoftが自社の「クラウド」を説明,ラックから「コンテナ」に移行

2008/05/02
中田 敦=ITpro
写真1●MicrosoftのCorporate Vice PresidentであるDebra Chrapaty氏
写真1●MicrosoftのCorporate Vice PresidentであるDebra Chrapaty氏
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 「ラックのコストが過大になってきたので,サーバーを『コンテナ』に格納することを考えている。すでに(同社が世界最大規模という)米国シカゴのデータセンターで,コンテナを採用した」−−米Microsoftは2008年5月1日(米国時間),ラスベガスで開催中の「Microsoft Management Summit 2008」で,同社のデータセンターに関して詳細を明らかにした。

 講演を行ったのは,同社のCorporate Vice PresidentであるDebra Chrapaty氏(写真1)。Chrapaty氏は「Windows Live」や「MSN」を運用する「Global Foundation Services」部門を統括している。講演は「The Reality of the Cloud(クラウドの現実)」というタイトルで,「人からよく,『クラウド・コンピューティングとは何か』ときかれることがあるが,クラウドとは,サーバーであり,データセンターであり,インターネット経由でわれわれがサービスを提供している基盤そのものである」(Chrapaty氏)と,同社のサービス基盤が「クラウド(雲)」だと形容する規模であると説明する。

写真2●同社のインターネット・サービスの規模
写真2●同社のインターネット・サービスの規模
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 Chrapaty氏はまず,Windows LiveやMSNといった同社がインターネット上で提供しているサービスの規模を説明する(写真2)。検索サービスの「Live Search」では,月間21億6000万件のクエリが発生しており,同社がインデックス化しているドキュメントの件数は200億件以上,画像の件数は4億件以上にも達するという。またポータル・サイトの「MSN」は,ユニーク・ユーザー数が5億5000万人で,月間100億ページ・ビュー以上があるという。認証サービスの「Windows Live ID」に関しては,毎日10億回以上の認証が行われており,電子メール・サービスの「Hotmail」がブロックしているスパム・メールの件数は1日34億件,「Windows Live Messenger」でやり取りされているメッセージの件数は1日82億件,ブログ・サービスの「Windows Live Spaces」には800万枚の写真が日々投稿されている。

 同社のインターネット・サービスは日々巨大化しており,2003年からの5年間で,サーバーの台数は15倍,データセンターの数は3倍,消費電力量は15倍に急増したという。しかもサーバー台数は,2009年までの1年間に倍増させる計画で,米国シカゴに「世界最大規模」というデータセンターを建設したほか,テキサス州のサン・アントニオやワシントン州のクインシー,アイルランドのダブリンにもデータセンターを建造している。

データセンターはロケーション重視

 Chrapaty氏は,データセンターを運用するうえで「ロケーションが非常に重要になっている」と指摘する。現在,同社のデータセンターにかかるコストの30%を電力が占めているが,消費電力の40%が冷却に費やされているという。Chrapaty氏は,「データセンターのコストを下げるためには,外気を冷却に使用する必要がある」と指摘し,ワシントン州クインシーにデータセンターを設置した理由も,その冷涼な気候にあると説明した。

写真3●サーバーの格納にラックではなくコンテナを使用している
写真3●サーバーの格納にラックではなくコンテナを使用している
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 またChrapaty氏は近年同社が,サーバーを格納する設備として,従来の「ラック」ではなく,貨物用の「コンテナ」を採用し始めていることを明らかにした(写真3)。Chrapaty氏によれば「ラックの占めるコストが看過できなくなった」ことがその理由だ。サーバーは製造段階でコンテナに格納し,コンテナごとデータセンターに搬入して,コンテナ単位で冷却を行う。ラックをデータセンターに配置したり,サーバーをラックに格納したりする手間を省くことで,サーバー運用のコストが削減できるという。

 同社ではコロラド州のデータセンターからコンテナの使用を開始し,世界最大規模というシカゴのデータセンターでは,コンテナを全面的に採用したという。競合では米Sun Microsystemsが,コンテナ単位のデータセンターを売り込んでいるが,Microsoftでは自社で使用するために,コンテナを採用したようだ。

1人の管理者で5000台のサーバーを運用

 Chrapaty氏によれば,同社は現在,30万台のサーバーを運用しており,1人の管理者が5000台のサーバーを管理していると語る。またサーバーの使用率を上げるために,サーバー仮想化技術も積極的に採用しているという。サーバー管理に使用するツールは当然ながら自社の「System Center」であり,構成管理サーバーの「System Center Operations Manager」の台数だけで1000台にも及ぶ。

 Operations Managerで管理しているイベントの件数は1日100万件で,1日当たり1トリリオン(1兆)件のデータ(サーバーのパフォーマンスを測定したデータ)が収集されるという。Chrapaty氏は,「われわれが使いこなせなければ,他の人には絶対に使えない,と考えて,System Centerをベータ段階から使用している」と述べ,同社のSystem Center製品群には同社の運用ノウハウが反映されていることをアピールした。

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