写真1●ネットワーク経由でクライアントPCのBIOSを操作している画面
写真1●ネットワーク経由でクライアントPCのBIOSを操作している画面
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●Microsoftでシステム管理製品群を担当するGeneral ManagerであるBrad Anderson氏
写真2●Microsoftでシステム管理製品群を担当するGeneral ManagerであるBrad Anderson氏
[画像のクリックで拡大表示]

 米Microsoftは2008年4月30日(米国時間),米ラスベガスで開催中の「Microsoft Management Summit 2008」の基調講演で,クライアント管理製品「System Center Configurations Manager 2007」のサービスパック1(SP1)を発表した。米Intelがパソコンに実装している管理機能「vPro」に対応し,ネットワーク経由でクライアントPCの電源を操作したり,BIOSの設定を変更したりできる(写真1)。

 同社は5月中にConfigurations Manager 2007 SP1をリリースするほか,マイナー・バージョンアップ版の「System Center Configurations Manager 2007 R2」の製品候補版(RC)を7月にリリースすることを明らかにしている。R2製品版の出荷は,2008年内の予定。

 IntelのvProは,ハードウエアに実装されたクライアントPCの管理機能で,2006年秋の発表以降,既に多くの企業向けパソコンに搭載されている。今回,クライアント管理製品市場でシェアの高い「System Center Configurations Manager(旧名称はSystems Management Server)」が対応することで,ようやく実用期に入ったと言えるだろう。

 Microsoft Management Summitの基調講演では,ネットワーク経由でのクライアントPCの電源オフといった単純な操作だけでなく,BIOSの設定変更なども実演。同社のGeneral ManagerであるBrad Anderson氏(写真2)は,「クライアントPCにネットワーク経由でOSを展開するには,クライアントPCをネットワーク・ブートさせるために,BIOSの設定変更が必要だ。Configurations ManagerをvProに対応させることで,クライアントPCへのOS展開に必要な作業をすべて遠隔から実行することが可能になる」とアピールした。

 同社はこのほか,Configurations Managerにも「管理パック」を提供することを明らかにした。管理パックとは,同社のサーバー向け管理ツール「System Center Operations Manager」に採用している機能で,システムを監視するために必要な各種設定をまとめたファイルである。管理パックをSystem Centerに適用することで,セキュリティ管理などの作業を自動化できる。

 クライアント管理ツールであるConfigurations Manageに関しては「コンプライアンス対策」といったシナリオ別の管理パックを用意する予定。SOX法に対応する上で必要なクライアント管理などを自動化できるとアピールしている。