写真●「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」(EMA)の設立記念総会
写真●「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」(EMA)の設立記念総会
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 「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」(EMA)は2008年4月30日,設立記念総会を開催(写真)。正会員46社と賛助会員5社の計51社が出席し,初年度の活動方針や予算案などを承認した。約1カ月かけて有識者による基準策定委員会で,準備委員会が作成した素案を検討し,そのあとに審査申請の受け付けを開始。審査・運用監視委員会で具体的な審査手順を決めて,同年6月から7月にかけて審査を始める。

 EMAは,携帯電話/PHSのサイトにおける有害情報の排除体制の審査・認定や青少年の保護育成を目的とする第三者機関。広告掲載の基準や有害情報の検知・削除に関する運営体制など,サイトの健全性を審査・認定する。認定サイトは携帯電話/PHS事業者のフィルタリング・サービスに反映され(関連記事),18歳未満の青少年による閲覧を担保する効果がある。

 実際の基準策定と審査に当たっては,利害関係のない第三者である学識経験者が中心となる。理事会(代表理事:堀部政男・一橋大学名誉教授,事務局長上沼紫野・虎ノ門南法律事務所弁護士)が選定した基準策定委員会が作業部会の案を基に認定基準を決め,審査・運用監視委員会がその基準による認定・運用監視の具体的な手順を定める。これらの基準によって,審査機関と運用監視機関が実際の認定・運用監視を進める組織構成となっている。

 基準策定委員会の委員としては,虹の橋法律事務所の岩崎政孝弁護士,主婦連合会の木村たま代氏,有限責任中間法人ECネットワークの沢田登志子理事,國學院大學の高橋信行准教授,慶應義塾大学の中村伊知哉教授,イプシ・マーケティング研究所の野原佐和子社長,金沢星稜大学の村井万寿夫教授を選任。審査・運用監視委員会には,市川穣弁護士,慶應義塾大学の岸博幸准教授,東京大学の長谷部恭男教授,一橋大学の松本恒雄教授を選任した。

審査料100万円前後は審査・運用監視チームの“実費相当”

 初年度の収入は,会費・入会金で6120万円,審査料として1億2800万円,講習費として900万円を算定。大枠として会費・入会金で事務局や委員会の運営費,審査料で審査・運用監視チームの運営費をまかなう構造とした。

 審査料の1億2800万円は,「百数十サイトの審査申請を見込んだ額」(EMA事務局)。会員からの「1社当たり約100万円との理解でよいのか」という質問に対しては,「サイト規模によって審査料を分ける予定で,大規模サイトでは100万円超,小規模サイトでは100万円未満になる見通し」と回答した。

 今後は準備委員会で活動を進めていた「健全コミュニティ検討WG」と「啓発・教育プログラム検討WG」のメンバーを,正会員や外部の専門家から募集。具体的な基準の数値などを詰め,基準策定委員会などに提出する。5月中には審査・運用監視のシステム構築を終え,6月から7月にかけて審査・運用監視の体制を整える予定だ。