東証2部上場のシステム会社、ニイウスコーは2008年4月30日、東京地方裁判所に民事再生手続きの開始を申し立て、受理されたと発表した。旧経営陣が行った不適切な会計処理を調査し、その結果を反映し過去5年間の財務諸表を訂正した結果、2008年6月期の中間決算は連結自己資本が278億円の債務超過になったため。
過去5期を調査した結果、56取引において売上金総額682億円の不適切な取引が見つかったという。具体的には、「実態のないとみられるスルー取引」や「リース契約を利用した不適切な循環取引」、「売り上げの先行計上とその後の失注処理、買戻しによる循環取引」などとする。循環取引にかかわった取引先名は公表していない。不適切な取引が判明したことで、過去5期の有価証券報告書と直近2期の半期報告書を訂正する。
ニイウスコーは08年2月に「過去に不適切な取引が行われた可能性がある」として08年6月期の決算発表を延期。調査委員会を発足し、監査法人とともに事実関係を調査してきた。
同社は07年8月、07年6月期の連結決算で603億円の売り上げに対して291億円の特別損失を計上。同期の純損益は302億円の赤字だった。医療事業からの撤退などを理由に挙げ、末貞郁夫代表取締役会長(当時)を含む全取締役が責任を取り退任した。投資会社であるロングリーチグループなどに総額200億円の第三者割り当てを実施し、再建を目指していた。