気象庁は4月28日未明、地震の揺れを先回りして伝える緊急地震速報を初めてテレビやラジオ、携帯電話など一般向けに配信した。沖縄県宮古島の近海で2時32分頃発生した地震で震度5弱を予測し、警報を発表したものだ。

 一番大きな揺れがあった宮古島では緊急地震速報の警報が、大きな揺れのS波の到達に間に合わなかった。これには大きく2つの理由がある。

 1つは一般向けに警報を出す基準である震度5弱以上を推定したのが、宮古島でのP波の観測から10.6秒後と遅れたこと。特定のユーザー向けには4.6秒後、震度4の推定値で警告を出していた。2つめが宮古島が震源から近いため、S波が短時間で到達してしまうこと。特定ユーザー向けの震度4の警報も、S波とほぼ同時となる計算だという。

 今回、震度の情報はNHKなどを通して広く配信された。NHKによると「全国のテレビとラジオで2時32分26秒に流した」という。宮古島では7.4秒前の32分18.6秒にS波が到達している。NHKテレビのスーパーは『宮古島近海で地震 強い揺れに警戒 宮古島 八重山』というもの。実際に観測した最大震度は宮古島での震度4だった。

 緊急地震速報は昨年10月1日朝から一般向けの配信が始まった。震度5弱以上の揺れがあると推定した際、テレビやラジオ、携帯電話を通じて広く伝える。今年1月26日には石川県能登地方で最大震度5弱の地震が発生したものの、気象庁の推定値が「最大4」だったため起動しなかった。