写真●I-ROIのロゴ・マークと設立委員。左からNTTドコモの夏野剛執行役員,顧問弁護士の森本紘章弁護士,慶應義塾大学の中村伊知哉教授,東京工科大学の相磯秀夫学長,一橋大学名誉教授の堀部政男氏,コーエーの襟川恵子ファウンダー取締役名誉会長
写真●I-ROIのロゴ・マークと設立委員。左からNTTドコモの夏野剛執行役員,顧問弁護士の森本紘章弁護士,慶應義塾大学の中村伊知哉教授,東京工科大学の相磯秀夫学長,一橋大学名誉教授の堀部政男氏,コーエーの襟川恵子ファウンダー取締役名誉会長
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 インターネットや携帯サイトのコンテンツの健全性を審査・認定する第三者機関「インターネット・コンテンツ審査監視機構」(Internet-Rating Observation Institute:I-ROI)が近く発足する。2008年4月25日に設立委員会を設置。同年9月の認定開始を目指す。コンテンツ審査の第三者機関の設立は,携帯サイトに特化した認定機関「EMA」に続き2団体目。

 I-ROIの目的は,学識経験者と有識者により策定した基準によってコンテンツの健全性を評価し,その閲覧の是非を年齢別・利用環境別に制限するラベル付け(レーティング)を実施すること。インターネット・サービス・プロバイダ(ISP)や携帯電話/PHS事業者のフィルタリング・サービス適用の判断指標となるほか,映画やゲームで実施されているように,あるコンテンツについて,小学生には有害と見られるが高校生であれば問題がない,といったコンテンツ利用者自身の判断の目安となる。

 設立委員会のメンバーとしては,代表理事に東京工科大学の相磯秀夫学長,顧問に一橋大学名誉教授の堀部政男氏が就任。委員としてソニーの出井伸之アドバイザリーボード議長,コーエーの襟川恵子ファウンダー取締役名誉会長,インターネットイニシアティブの鈴木幸一社長,NTTドコモの夏野剛執行役員,慶應義塾大学の中村伊知哉教授ら27名が参加する。

 設立委員会の事務局は総務省所管の社団法人デジタルメディア協会(AMD)に設置。近日中に中間責任法人として登記後,AMDの協議会として2005年度から実証実験を進めてきた「コンテンツアドバイスマーク(仮称)推進協議会」の組織や試案をたたき台として,実際の基準作りを進める予定である。

 総務省主催の「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」が同日取りまとめた中間報告は目下の課題である携帯フィルタリングに焦点を絞っており,I-ROIは最終報告書に盛り込まれる見通しの「インターネット全体のフィルタリングへの提言」で言及される第三者機関のモデルになる公算が大きい。