米MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏は欧州で2008年4月第4週,同社を取り巻く大きな問題に関する興味深い二つの話題に触れた。2008年6月の「Windows XP」販売終了に対して不満が多ければ,何らかの対応をする余地があるという。そして,Yahoo!買収に価値が見いだせないのなら,買収提案を撤回するとした。

 Windows XPについて,Ballmer氏は「現在パソコンを購入する人の大多数は,発売から7年もたったWindows XPでなく『Windows Vista』を選んでいる」と述べた。同氏は「これは統計データできちんと確認した事実」と付け加えたうえで,「このところ売れているWindows XPの圧倒的多数は,Windows Vistaの動かない時代遅れのパソコンを持つ企業が購入していた」と指摘した。

 ところが,Ballmer氏は希望も残してくれた。不満の声が多いのなら,Windows XPプリインストール・パソコンとパッケージ版Windows XPの販売を6月いっぱいで打ち切るという決定を見直す可能性があるという。「顧客の意見が変化すれば,われわれはいつでも賢く豹変できる。ただし,いまのところWindows XPの新規出荷は最終段階にある」(Ballmer氏)。

 Yahoo!に対する敵対的買収提案について質問されたBallmer氏は,「提示済みの446億ドルという金額を上げるつもりはない。(Yahoo!にとって)非常によい条件だ」と答えた。さらに,Yahoo!買収失敗後の計画に初めて触れ,「うまくいくよう願っているが,駄目ならば当社だけで前進する」とした。

 Microsoftは,前回のYahoo!買収に関する公開書簡で4月26日までに回答するよう要求し,回答が得られなければ合併賛成派の役員を送り込むとYahoo!を脅した(関連記事:Microsoft,いよいよYahoo!に対する締め付けを開始)。この件について,Ballmer氏はほかの可能性を示さなかった。