富士ゼロックスは2008年4月25日、元社員が約4億4千万円の架空取引を行っていたと発表した。元社員は、40代の営業職の男性社員。同社は23日付で元社員を懲戒解雇し、近く刑事告訴する予定という。

 元社員が架空取引を行ったのは昨年6月。顧客から約2000台のパソコンを受注したかのように装い、富士ゼロックス名義で商社に約4億4千万円で発注した。続いて、納品されたパソコンを買取り業者に転売。その代金で過去の架空取引の穴埋めをしていたという。「現在調査中ではっきりしないが、過去数年にわたって架空取引をしていたもようだ」(富士ゼロックス広報)

 富士ゼロックスは3月、パソコン2000台を受注したはずの顧客から入金がないため、元社員に問いただした。ここで架空取引が発覚したという。同社は不正行為の損害額を、08年3月期決算で営業外損失として計上。「お客様ならびにお取引先の皆様に多大なるご迷惑をおかけすることになり、深くお詫び申し上げます。今後このような事態が再発しないよう、管理体制の見直し、社員教育などを徹底していく所存です」としている。