検討会には増田寛也総務大臣も出席した
検討会には増田寛也総務大臣も出席した
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 総務省は2008年4月25日、「インターネット上の違法・有害情報への対応に関する検討会」の第6回を開催し、中間取りまとめを発表した。「携帯電話フィルタリングサービスの実効性ある普及を目指して」と題してまとめられた中では、現状で各社対応が分かれている「利用者からの申告がない場合のフィルタリング適用」は「ブラックリスト方式が妥当」という見解を示した。

 携帯電話事業者は、2007年12月の総務大臣要請で未成年者に対するフィルタリングサービスの加入方法を変更。フィルタリングサービス加入に対して意思確認を徹底していた。一方で、意思確認ができなかった場合に自動的に適用するフィルタリングサービスに関しては、ホワイトリスト方式とブラックリスト方式が各社ばらばらだった。そこで本中間取りまとめにおいて、利用者からの申告がない場合は「ブラックリスト方式を適用」という結論に至った。

 また、2008年4月9日に発足した第三者機関「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構(Content Evaluation and Monitoring Association:EMA)」に関しても言及。「青少年保護の観点から、コンテンツの種別に応じた基準の査定を行うこと」「コンテンツの審査後もその基準が満たされていることを監視すること」「利用者等からの苦情を受け付けて対応する仕組みも備える必要があること」などをその機能として総括。EMAが認定したリストを各携帯電話事業者のフィルタリングサービスのリストに反映させることを求めた。これまで、EMAが認定したリストに対しては携帯電話事業者各社が自社のフィルタリングサービスに反映させるかどうかを未定としていたが、今後は何らかの形でEMAのリストを実装していくことになりそうだ。

 さらに今後、携帯電話事業者に求められることとして、利用者の選択肢を増やすサービスも必要と結論付けた。いわゆる「マイホワイトリスト」などと呼ばれるサービスで、事業者が閲覧不可としたサイトでも親権者などが許可して登録すれば閲覧可能にしたりするものだ。

 この中間取りまとめを受け、各社は未成年の契約者に関するフィルタリングサービスの適用方法を変更する模様。週明けの月曜日には各社が方針を発表する予定だ。特に、未成年の既存契約者への適用は2008年6~8月までに順次開始される予定だったが「延期されることになるだろう」(総務省消費者行政課の二宮清治課長)。

 なお、政府与党などで話し合いが進められている未成年のWeb閲覧に関する法規制に関しては「与党野党などでも話し合いが進められており、注視していく必要があるが、少なくとも今回の中間取りまとめは非常に重要なものだ」(検討会座長の一橋大学名誉教授堀部政男氏)とした。