KDDIの小野寺正社長は2008年4月24に開催した決算発表会の冒頭,同社の携帯電話機(W42K)に搭載した電池パックの不具合について謝罪するとともに,現状を報告した。それによると,電池パックが発熱・膨張し,発煙したり破裂したりする事故が15件(3月28日時点の公表時は13件)発生したという。既に交換用電池パックを4月14日までに24万個を届けたことや,使用中の電池パックについては4月21日までに約11万8000個を回収したという。

 再発防止に向けた対策としては,携帯電話機メーカーと協力して,(1)設計段階でのチェック項目の充実,(2)開発段階での安全確認試験強化,2点を挙げた。また電池パックの不具合が発生したときには,直ちに全社的な対策本部を直ちに立ち上げるとともに,迅速な対外発表を行えるように社内体制を整備したという。

 発表後の質疑応答でも,2007年度に苦戦を強いられた原因を問われて,その要因の一つとして「商品管理が甘くなった」ことを挙げた。具体的には,電池パックの不具合とKCP+の開発の遅れであり,かなりの課題を残す結果となったという。

 なお,同日発表された2007年度の連結業績は,売上高が前年度比7.8%増加の3兆5963億円,経常利益は同16.2%増加して4079億円と過去最高となった((プレゼンテーション資料))。固定通信事業は647億円の営業損失となったが,移動通信事業は売上高が前年同期比6.9%増加の2兆8626億円,営業利益は同18.0%増の4550億円となり,損失分をカバーした。

 移動通信事業は215万件の純増で,期末目標としていたauブランドでの3000万契約を達成した。固定通信事業の契約数はメタルプラスが328万件,FTTH(ひかりone)が71万件に増加した。2008年度の業績見通しは,売上高が2007年度比2.9%増加の3兆7000億円,経常利益は同10.6%増加の4430億円を見込んでいる。