「携帯端末向けネット・サービスを,自動車の中で使用したいと考えているユーザーは多い」--。米Microsoft傘下で,携帯電話機向けに音声操作ができるネット・サービスを提供する米Tellme Networksは4月23日(米国時間),米サンフランシスコで開催中の「Web 2.0 Expo」の基調講演で,このような見方を示した。

写真1●TellmeのDariusz Paczuski氏
写真1●TellmeのDariusz Paczuski氏
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 Tellmeがこのような発表をした意図はただ1つ。自動車の運転中に,キーボードやタッチ・パネルを使った携帯端末の操作は不可能であり,自動車の中で携帯端末向けネット・サービスを利用したいなら,Tellmeが提供するような音声操作技術を使用するしかない,ということだ。

 TellmeのDariusz Paczuski氏(写真1)は,「Web 2.0 Expo」の基調講演の1コーナー「What Tellme Knows(Tellmeが知っていること)」で,「ネットワーク・サービスは,机(デスクトップ・パソコン)でしか使えない時代から,ミーティング中(ノート・パソコン)でも使える時代,歩きながら(携帯電話機でも)使える時代へと進化し,いよいよ運転中でも使える時代に入ろうとしている」と強調する。

写真2●自動車の中で使いたい携帯電話機向けサービスは多いが,なかなか実現できていないのが実情
写真2●自動車の中で使いたい携帯電話機向けサービスは多いが,なかなか実現できていないのが実情
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 実際にTellmeの調査によれば,同社が提供する音声操作を使った携帯電話向け地図サービスの利用の95%は,「車の中」から行われているという。また同社の調査では,「調査対象の73%が,携帯機器向けのサービスを車の中で使いたいと感じている。特に『携帯電話を使った地図検索サービス』『携帯電話を使った交通情報サービス』『携帯電話を使った天気情報サービス』などは,車の中で使ってみたいと思うが,今のところ使えないといった回答が多い」(Paczuski氏)のだという(写真2)。

 もちろん,これらのサービスが自動車の中で使えないのは,そのサービスを利用するためには携帯電話機のキーボードやタッチ・パネルを使う必要があり,運転中の操作が不可能だからだ。音声操作なら,運転中でもなんとかなるだろう。「そもそも音声操作は,タッチ・パネルなどよりも,はるかに操作が簡単だ。電話帳から電話をかける操作も,携帯電話機なら最低でも5回はタッチが必要だが,音声操作なら携帯電話金触れる回数は1度で,さらに1度音声で操作する(名前を読み上げる)だけでいい」(Paczuski氏)と,音声操作の長所を強調した。