図1 「ストリームテスト for 地デジ」を公開しているバッファローのWebサイト
図1 「ストリームテスト for 地デジ」を公開しているバッファローのWebサイト
[画像のクリックで拡大表示]
図2 「ストリームテスト for 地デジ」実行中の画面。実際に動画を再生しながら、CPU負荷をチェックする
図2 「ストリームテスト for 地デジ」実行中の画面。実際に動画を再生しながら、CPU負荷をチェックする
[画像のクリックで拡大表示]
図3 「ストリームテスト for 地デジ」の結果表示画面。CPUの処理性能に加え、インタフェースの著作権保護技術の有無による表示可否などを判定する
図3 「ストリームテスト for 地デジ」の結果表示画面。CPUの処理性能に加え、インタフェースの著作権保護技術の有無による表示可否などを判定する
[画像のクリックで拡大表示]
図4 アイ・オー・データ機器が提供予定の検証ツール「mAgicTV Digital Checker」
図4 アイ・オー・データ機器が提供予定の検証ツール「mAgicTV Digital Checker」
[画像のクリックで拡大表示]
表1 バッファローの単体チューナーの動作環境(表:バッファローへの取材を基に日経パソコン誌作成)
表1 バッファローの単体チューナーの動作環境(表:バッファローへの取材を基に日経パソコン誌作成)
[画像のクリックで拡大表示]
表2 アイ・オー・データ機器の単体チューナーの動作環境(表:アイ・オー・データ機器への取材を基に日経パソコン誌作成)
表2 アイ・オー・データ機器の単体チューナーの動作環境(表:アイ・オー・データ機器への取材を基に日経パソコン誌作成)
[画像のクリックで拡大表示]

 バッファローとアイ・オー・データ機器は、自社製地上デジタル放送チューナーの単体発売に先駆け、ユーザーが現在使用中のパソコンにチューナーを追加して使用可能かどうかを確認するための検証ツールをそれぞれ開発、各社Webサイトで無償提供する。

 パソコン向け地デジチューナーでは、テレビ機能非搭載のパソコンに、後から低コストでテレビ視聴・録画機能を追加できるメリットがある。半面、ハイビジョン画質での出力には、再生ソフトとグラフィックスチップとのデータ通信を暗号化する「COPP(certified output protection protocol)」とHDCPの2規格に対応したグラフィックスボード、HDCP対応の液晶ディスプレイが必要となるなど、テレビ映像の著作権保護技術(DRM)に関連した複数の制約がある。また、性能の低いCPUを搭載したパソコンではハイビジョン画質の映像を処理しきれず、表示が止まったりコマ落ちしたりする可能性がある。

 このため各社は、パソコン向け地デジチューナーの単体発売前に検証ツールを提供。ユーザーが購入前に手持ちのパソコンの著作権保護技術や処理性能を確認可能にし、購入に際してのユーザーの懸念を軽減する狙い。

 バッファローは2008年4月21日の同社製チューナー正式発表に併せ、「ストリームテスト for 地デジ」を同社Webサイトで公開した(図1)。検証用の映像を数分間繰り返し表示しながら、映像系インタフェースの著作権保護技術を確認したり、映像表示時のCPU負荷を測定したりしている(図2)。

 検証が完了すると結果が画面に表示され、「結果:OK」など、使用可能かどうかが表示される。続けて、テレビ映像を1440×1080ドットのハイビジョン画質で表示する「DP」プロファイル、横方向の解像度を減らし720×1080ドットとした「HP」プロファイル、720×480ドットとDVD相当に解像度を落とした「SP」および「LP」の各プロファイルについて、使用可能かどうかと、使用不可能な場合はどこに原因があるのかを示す。「詳細」ボタンを押すと、表示に成功したフレーム数やCPU負荷などの詳細データが表示される。これらの結果をテキストファイルとして保存することも可能だ(図3)。

 同社では検証ツール提供の狙いとして、「スペック上動作可能となっているパソコンでも、例えばウイルス対策ソフトなどと同時に実行した場合に問題なくテレビ映像を処理できるかどうかといった課題がある。パソコンの具体的な動作環境は個々のユーザーごとに異なるため、実際に映像を表示しながらCPU負荷をチェックすることで、スペック上だけでなく実環境で問題なく動作するかどうかを購入前に知ることができる」(バッファロー 事業本部 市場開発事業部 DHマーケティンググループリーダの中村智仁氏)とする。

 アイ・オー・データ機器も同様の検証ツール「mAgicTV Digital Checker」を準備している(図4)。同ツールではCPU負荷の測定機能はないものの、HDCPやCOPP対応の有無、オーバーレイによる映像表示機能の有無、グラフィックスチップと出力端子の種類などを検証する。同社製チューナーが使用可能か否かを「○」「△」「×」の3段階で表示するほか、問題がある場合はその詳細などを表示する。アイ・オー・データ機器は同ツールを、製品の正式発表とともにWebサイトで公開する予定。

 なお、バッファローとアイ・オー・データ機器のチューナーでは、アナログRGB出力可能な条件など細かい仕様に違いがある(表1、表2)。このため、両社とも検証ツールは「自社製チューナーの動作確認」のみに利用可能としている。例えば、バッファローの検証ツールで「問題なし」と判定されても、アイ・オー・データ機器の製品が動作するとは限らず、逆の場合も同様である。なお、ピクセラが発売予定の「PIX-DT012-PP0」「PIX-DT050-PP0」では、HDCPに対応したDVIなどのデジタル出力のみサポートすることを明らかにしている。

■変更履歴
アイ・オー・データ機器が検証ツールの無償配布を開始したのに伴い、関連URLを追記しました。 [2008/04/23 10:50]