MVNO(Mobile Virtual Network Operator)事業者の日本通信は2008年4月21日,NTTドコモの携帯電話通信設備を利用した携帯IP電話サービスを開始すると発表した。Windows Mobileなどを使ったスマートフォンから利用できるようにする。サービスは,2008年7~9月の開始を予定している。
音声データは,NTTドコモのW-CDMA(wideband code division multiple access)上のパケット通信網を使って送信する。利用できる端末は,Windows MobileやSymbian OSを使ったスマートフォンを想定。将来は,米グーグルなどが開発を進める携帯電話プラットフォーム「Android」対応端末など,幅広い機器で利用できるようにするという。
対応端末では,050番号体系のIP電話番号を使えるようにする計画。ただし,総務省が携帯電話のネットワークに対して付与した前例はなく,交渉のための「ステップを踏まないといけない」(福田尚久CFO)。050の付与にあたっては,総務省が3段階の品質基準を設けている。日本通信のサービスのために使う携帯機器では「最上位ではないが,中間か3番目の品質基準になる」(福田CFO)という。とはいえ,通話をする上では音質に問題はないとしている。
通話料金については検討中だが,定額のデータ通信サービスに含む形とする予定。国際電話にかける場合などは,別途料金を徴収することもあり得るという。
将来は,無線LANやWiMAXなど,通話中に通信経路を変更しても音声が途切れることなく利用し続けられるサービスも視野に入れる。同サービスは,2009年4月以降の開始となる。