米Microsoftは,モバイル機器向けOS「Windows Mobile」の低い認知度という問題を抱えている。実際にはWindows Mobileそのものが問題であり,とうとう同社は消費者と企業の双方に同OSをアピールするための活動を始めた。

 ただし,この活動の進展は当然ながらゆっくりとしたものだ。先日リリースしたWindows Mobile 6.1では,旧版6.0に存在していた大量の問題の一部しか解消しなかった(関連記事:Microsoft,モバイルOSの最新版「Windows Mobile 6.1」と新「IE Mobile」を発表)。大きな改良は,次版の7.0までお預けだ。

 7.0は近いうちに登場すると予想するだろうが,それは間違っている。リリースはだいぶ先で,早くとも2009年下半期になる。さらに,Microsoftのハードウエア・パートナがすぐには搭載デバイスの出荷を始めないので,OSのリリース時期を議論しても意味などない。

 Windows Mobile 7.0搭載デバイスが登場するころには,米Appleの「iPhone 3.0」が使えるようになっているだろう。Appleがスマートフォン市場に参入したことで,Windows Mobileを面白味のあるOSにしようとする現在の活動が始まったのだ。Microsoftがライバル追撃を諦める非中核市場など,残っているのだろうか。