NTTドコモは2008年4月21日,携帯電話端末のソフトウエア・プラットフォームの設計を大幅に見直すと発表した。通話などのあらゆる端末が搭載すべき共通機能と,iモードなどNTTドコモ独自機能を分離させる。端末開発の効率化,海外メーカーのNTTドコモへの参入促進を狙うとともに,日本メーカーが海外に進出しやすい開発環境にする。

 新しい設計のソフトウエア・プラットフォームはACCESSと共同で開発し,2009年後半から順次端末への搭載を進めていく。新プラットフォームは,LiMo仕様に準拠したLinuxベースの共通プラットフォーム上に,通信事業者の独自サービスを実現するソフトウエア・パッケージ「オペレータパック」を追加する形態にする。共通プラットフォームは,OSのほか通話や電話帳,カメラ機能など基本的なアプリケーションを含む。一方,オペレータパックはiモードやiチャネルなどの事業者独自サービスを実現するソフトウエア群となる。

 端末メーカーは,独自に開発しなければならないソフトウエアが減るため,開発の効率化につながる。また,NTTドコモの独自サービスを簡単に追加したり切り離したりできるため,海外向けの端末をNTTドコモ向けに転用したり,その逆の転用も容易になる。NTTドコモは,海外メーカーの端末を調達したり,国内メーカーの海外進出を促すことで端末調達コストの削減を狙う。

 ACCESSによると,仏フランステレコムも同じプラットフォームを採用予定。NTTドコモ版とフランステレコム版のオペレータパックを入れ替えることで,簡単にそれぞれの事業者に対応した端末を開発できるようになる。フランステレコムは2008年後半から,新プラットフォームを端末に搭載する予定だ。

 なお,NTTドコモはこれとは別に,英シンビアンの携帯電話向けOS「Symbian OS」においても,同様のソフトウエア・プラットフォームを検討。こちらも,オペレータパックの追加だけで,容易にNTTドコモ向け端末を開発できるようにする予定だ。

[発表資料]