ウィルコムは,次世代PHSの開設計画に基づく事業の進捗状況について計画の通り進捗していることを総務省に報告するとともに,その内容をホームページで公表した(発表資料)。この中で,特定基地局数や人口カバー率について,申請した解説計画の通りを予定していることと,基地局数やエリア展開については前倒しで拡大することを検討していることを明らかにした。なお,2008年3月時点で,候補地として8000箇所の設置場所を選定済みという。屋内展開については,小型基地局を開発して2012年までに7000局の設置を想定する。また,フェムトセル型の基地局を利用した屋内対策について検討することを決めたとしている。

 基地局設備については,2008年3月末に基地局の詳細な仕様をまとめたことを報告した。開発ベンダーとして京セラで基地局の開発・設計に着手しているという。アンテナについては,1.9GHz帯と2.5GHz帯の共用アンテナの開発を進めているという。共用アンテナの開発は,基地局の設置場所を提供するオーナーにとって,負担を小さくするものと言えそうだ。中継網の確保については,2008年3月現在で全国1000箇所以上のNTT交換局ビルに設置しているが,2009年3月までにさらに追加して全国の次世代PHS基地局がIPネットワークに収容できる中継網を構築する計画を検討中という。

 電波干渉については,固定系地域バンド事業者との干渉協議の状況を報告するとともに,その他の事業者とも順次協議を開始するという。例えば,2014年まで運用が制限されている下部帯域(2545Mから2555MHz)について,少しでも運用制限バンドが有効利用できるように,N-STAR事業者と協議する計画である。MVNO計画については,3月27日に実施した説明会の内容などを報告した。