東京工業品取引所は2008年4月17日、次期売買システムに関する契約調印式を開催した。システム構築を担当するNTTデータ、パッケージ・ソフトを提供するスウェーデンのOMXテクノロジーと正式に契約を結んだ。ベンダー選定は07年12月で終わっており、今回は要件定義後の正式契約という位置付けだ。次期システムの稼働は2009年5月7日を予定する。
東工取の南學正明理事長は「1月から進めてきた要件定義が3月末に終わり、今回無事に正式契約を調印できた」と語る。調印式にはNTTデータの山下徹社長も出席。実は山下社長は10数年前の事業部長時代に、東工取の売買システムの構築を担当した経験がある。「今回、次期システムの構築を担当できることを嬉しく思う」と挨拶した。
東工取が採用を決めたOMXのパッケージ・ソフトは豊富な導入実績を持ち、北欧の取引所におけるシェアは80%を超えるというが、日本での採用は今回が初めて。東工取はパッケージのカスタマイズをできるだけ少なくし、品質を優先する意向を示している。NTTデータの山下社長も「プロジェクトの一番の難関である要件定義は終え、順調に進んでいる」との認識を示した。
次期システムの構築費は31億4900万円、5年間の運用費用として56億3800万円を見込む。また、24時間の立会い取引を実施する場合は運用費用として年2億2千万円が別途必要になるという。
東京穀物品取引所が東工取の次期システムを共同利用したいという意向を示している件について、東工取の南學理事長は「当社としても共同利用は歓迎だ。今回の要件定義でも将来の共同利用を見据えた要件を加えた」と話した。
東工取は国内に4つある商品取引所の1つ。貴金属、ゴム、アルミニウム、石油の先物取引を行っている。