総務省は2008年4月17日,フェムトセルの活用に向けて関係法令の取り扱いを整理した「フェムトセル基地局の活用に向けた電波法及び電気通信事業法関係法令に関する取扱方針」を策定した。フェムトセルとは,家庭内に設置可能な携帯電話の超小型基地局のこと。今回の方針策定によって,2008年秋以降におけるフェムトセル商用展開の道筋が付いた。

 同省は2008年2月にフェムトセルの取扱方針案を公開(関連記事)。そこでは,フェムトセルと携帯電話網の接続にユーザー加入のブロードバンド回線を利用することについて,「電気通信事業法上は禁止されるものではない」と,利用を認める方針を示していた。しかし2月から3月にかけて実施した方針案に対する意見募集では,主に固定系通信事業者から「フェムトセルを利用する携帯電話事業者とブロードバンド回線を提供する事業者の間で,品質確保の方法,費用負担方法などについてあらかじめ協議が必要」といった要望が寄せられた(関連記事)。

 そこで総務省は,このような意見に対して,関係者が協議する場として情報通信研究機構(NICT)が運営する「次世代IPネットワーク推進フォーラム」を活用する考えを改めて示した。ここで通話品質の確保方法や障害発生時の責任分担,トラフィック情報の共有などを協議し,2008年秋を目途にフェムトセルの運用に関するガイドラインを策定する(関連記事)。

 なおフェムトセルの運用を通信事業者などの「免許人」以外でも可能にする電波法改正案については,既に総務省は国会に提出済み(関連記事)。総務省では改正案の国会審議も踏まえて,今回策定した方針に関する規定を整備していくという。

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