「グーグルと我々は同じビジョンを共有している。それはソフトウエアの終焉をもたらしたいということだ」。米セールスフォース・ドットコムで製品とマーケティングを担当する エグゼクティブ・バイスプレジデントのジョージ・フー氏(写真1)は2008年4月17日、都内で開催したグーグルとの協業に関する説明会でこう語った。
今回の協業は米国では4月14日に発表されたもの。セールスフォースのCRM(顧客関係管理)ソフト「Salesforce」とグーグルのオフィス・アプリケーション「Google Apps」を連携させて使用できるようにする。Google Appsの1つであるメール・サービス「Gmail」で顧客と電子メールをやり取りした履歴をSalesforce上で管理したり、Salesforce上のカレンダーをGoogle Appsのカレンダー・サービスである「Googleカレンダー」に反映させることができる(写真2)。
こうした連携機能は、4月14日からSalesforceに実装されており、既存顧客は設定を変更することで利用可能だ。今夏からは、1ユーザー当たり月額10ドルで、セールスフォースがGoogle Appsのサポート・サービスを提供する。
日本では同1260円でサービスを始める予定という。
フー氏はグーグルとの協業を「これほどシームレスな統合を即座に反映できるのは、SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)ならでは。オラクルやSAP、マイクロソフトが進めてきたソフトの販売モデルでは不可能だった」と説明する。「たとえ、それらの企業が今後SaaSに注力し始めても、もともとSaaSに特化した当社の優位性は揺るがない」(同)