発表会で新サービスを説明するDeNA南場智子社長(中央)
発表会で新サービスを説明するDeNA南場智子社長(中央)
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 ディー・エヌ・エー(DeNA)は2008年4月16日、ケータイサイト「モバゲータウン」において、スクウェア・エニックスなどゲーム会社6社が参加し、基本料無料でアイテムなどに課金する新しいビジネスモデルのゲーム配信を始めると発表した。DeNAは、本格的なゲームの導入を可能にしてゲームのコアユーザーへ訴求し、モバゲータウンの利用者層を拡大させることを狙う。参加ゲーム各社は、モバゲータウンの集客力を生かし、ケータイゲームの利用料収入以外のビジネスモデルを探る。

 各社は4月末より順次、基本料無料のゲームをモバゲータウン内で提供。ゲーム内で使用するアイテムを、ゲーム専用の仮想通貨「モバコイン」で購入できるようにする。モバコインによる収益をDeNAとゲーム会社で分け合う。モバコインは、電子マネーやクレジットカードなどで購入する。モバゲータウンで使われている「モバゴールド」とは別の仮想通貨で、相互の交換はできない。

 参加を表明したゲーム会社は、ORSO(オルソ)、スクウェア・エニックス、タイトー、ハドソン、ハムスター、ワークジャムの6社。4月末から今冬まで順次ゲーム作品を提供していく。

 東京都内で開催した発表会で、DeNA社長の南場智子氏は、「ゲームのコアユーザーなど、より幅広い層にモバゲータウンを訴求できるようになる」とサービス拡充の狙いを語った。一方、スクウェア・エニックス社長の和田洋一氏は、「モバゲータウンにはいつも先手を取られていた。今回は勝ち馬に乗ろうという考えだ。ネットという新しい環境は様々な手の組み方がある」と、ケータイゲームを自社サイトで有料配信する一方で、モバゲータウンでの無料配信に踏み切った背景を語った。