米Microsoftは米国時間2008年4月15日,組み込みOS製品系列「Windows Embedded」の提供計画(ロードマップ)を発表した。製品体系を整理し,新たに「Windows Embedded Standard」「Windows Embedded Compact」「Windows Embedded Enterprise」「Windows Embedded POSReady」という名称で展開していく。

 Windows Embedded Standardは「Windows XP Embedded」の後継製品で6月3日に提供を開始する予定。Windows Embedded Compactは「Windows Embedded CE」の後継製品で2009年のリリースを予定する。Windows Embedded Enterpriseは「Windows Vista」「Windows XP」を組み込み機器専用にライセンスする形態の製品。Windows Embedded POSReadyはPOS端末向けOS「Windows Embedded for Point of Service」の後継製品で,2009年より利用可能とする。現行の各Windows Embedded製品は後継製品が登場するまで販売を続ける。

 Windows Embedded POSReadyは,特定機器向け組み込みOSで構成する新製品系列「Windows Embedded Ready」に含める。同製品系列の各製品はあらかじめ用途に合わせた設定を施し,機器を開発するメーカーの負担を軽減する。Windows Embedded Readyの詳細は2008年後半に発表する。

 米メディア(internetnews.com)によると,2007年における北米POS端末市場は55億6000万ドル規模で,Windows系端末が3分の2を占め最も多く,2位が米IBMの端末「IBM 4690」の10億2000万ドル。Linux搭載端末は4億7500万ドル規模だったが,前年に比べ32%以上も増えた。これに対し,市場全体の成長率は前年比5%増にとどまったという。

 また,MicrosoftはWindows Embedded CE 6.0開発者向け認定プログラムを新たに設け,認定試験「Exam 70-571:TS:Microsoft Windows Embedded CE 6.0 Application Development」を5月5日より実施する。米国での受験料は125ドル。試験会場の情報はWebサイトに掲載している。試験ガイド(英語/日本語/簡体字中国語/韓国語/ドイツ語/フランス語)はWebサイトから無償でダウンロードできる。

 さらに,同社は「Windows Embedded CE 6.0 R2」「Visual Studio 2005 Professional Edition」と開発用ハードウエアを一括提供するパッケージ製品「Windows Embedded SPARK Your Imagination」を発表した。一般のプログラマや学生/学校関係者向けとし,用途を非商用アプリケーションの開発に限る。台湾VIA Technologiesなどのハードウエア・ベンダーが,世界各地で直ちに販売を開始する。通常だと1300ドル相当の内容だが,価格は250~350ドルとなる。

[発表資料(Windows Embeddedのロードマップ)]
[発表資料(SPARK Your Imagination)]