フィンランドのNokiaをはじめとする無線大手7社は,3Gの標準化団体3GPPが策定中の次世代携帯電話向け方式「Long Term Evolution/System Architecture Evolution(LTE/SAE)」に関連した知的財産権について,明確なライセンス料金体系を定めるフレームワークに合意した。高速無線通信技術の普及促進を目指しており,業界企業の参加を呼びかけている。

 同フレームワークへの参加を表明しているのは,Nokiaをはじめ,NEC,フランスAlcatel-Lucent,スウェーデンEricsson,米NextWave Wireless,NokiaとドイツSiemensの合弁会社Nokia Siemens Networks,ソニーとEricssonの合弁企業Sony Ericsson。なお現時点で,Ultra Mobile Broadband(UMB)を推進中の米QUALCOMMは加わっていない(関連記事:概要が見え始めた4Gワイヤレス技術,ただしサービス開始は2010~2012年)。

 同フレームワークでは,公正,合理的かつ差別のない(FRAND:Fair,Reasonable And Non-Discriminatory)指針に準じ,ライセンス供与者の技術が最終製品に付加した価値に基づいた,適正なライセンス料金を課す。また同技術が,関連製品分野の主だった知的財産で,どのような位置を占めているかを考慮して,柔軟なライセンス契約を交わす。具体的には,携帯電話向けLTEのロイヤルティは販売価格の10%未満,ノート・パソコン向けLTEのロイヤルティは10ドル未満とする。

 ちなみにLTE/SAE方式では,OFDMA(直交周波数分割多元接続)技術を使って100Mbps以上の通信速度を実現できる見通し。Nokia,Ericsson,Alcatel-Lucentを含む無線大手9社は,LTE/SAEの共同実験を昨年5月より行っている(関連記事:NokiaやEricssonなど,3.9G通信方式「LTE」の共同試験を実施へ,100Mbps以上を目指す)。

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