米TiVoは米国時間2008年4月11日,米EchoStar Communicationsと係争中の特許侵害訴訟において,ワシントンD.C.の連邦巡回控訴裁判所が,Tivoの主張を認める連邦地方裁判所の判決を支持したと発表した。

 TiVoが問題としているのは「タイム・ワープ(time warping)」と呼ぶ特許で,1つの番組を録画すると同時に,別の録画番組を再生する技術に関するもの。生番組の一時停止,高速な早送り/巻き戻し,スロー再生を行える「TrickPlay」の保存フォーマットもこれに含まれる。

 TiVoは2004年に,タイム・ワープ特許を侵害されたとしてEchoStarを提訴(関連記事:米TiVo,「タイム・ワープ」の特許侵害で米EchoStarを提訴)。2006年にテキサス州東部地区の連邦地裁はタイム・ワープ特許の有効性を認定し,EchoStarがTiVoの知的財産を侵害したと判断した(関連記事:米Tivo,米EchoStarに対する「タイム・ワープ」特許侵害訴訟で勝訴)。

 米メディア(CNET News.com)によると,EchoStarは7390万ドルの損害賠償を命じられたがこれを不服として,今年1月に上訴していた。

 EchoStarは大法廷(en banc)での再審理を要求したが,今回,控訴裁はこれを退けた。

 EchoStarは控訴裁の判断を受け,「たいへん残念だが当社の将来を含む顧客には影響がない」とする声明を同日発表した。同社によると,現在導入しているDVRソフトウエアはTivoの特許に抵触しない技術を用いているという。また同社は連邦最高裁判所に上訴する意向も明らかにした。なおEchoStarは2008年1月に,一部衛星事業およびセットトップ・ボックス事業をEchoStar Holdingとして分社化。有料テレビ・サービス関連事業は本体に残し,「DISH Network」に社名を変更している。

[発表資料(Tivoのプレス・リリース)]
[発表資料(DISH Networkのプレス・リリース)]