システム開発の失敗を理由にスルガ銀行が日本IBMに対して損害賠償を求める訴訟を起こした件で、2008年4月14日、第1回口頭弁論が東京地方裁判所で開かれた(関連記事)。

 裁判では両社が提出した資料が確認された。日本IBM側である牛島総合法律事務所の牛島信弁護士が「答弁書の続きを提出したいので、(作成のために)2カ月時間がほしい」と要求。裁判長はこれを了承し、「争点の整理は今後速やかに行う」と話した。

 現在、スルガ銀が提出した訴状を閲覧できない状態が続いている。日本IBMが東京地裁に訴状閲覧制限を申請し、審査が終わっていないためだ。この理由について日本IBMは「係争中のためコメントは控える」(広報)としている。今回の公判でも、訴状の内容は明らかにならなかった。

 スルガ銀が導入を目指していたのは、IBMのオープン勘定系パッケージ「NEFSS/Corebank」。2004年9月にプロジェクトを開始し、当初は2008年1月の稼働を目指していた。だが開発の遅れにより、稼働を延期。最終的にシステムを完成させることができなかったため、プロジェクトで被った損害や逸失利益など111億700万円の損害賠償を求め日本IBMを訴えた。