米Microsoftは2008年4月8日(米国時間),「Servicing Stack Update(SSU)」と呼ぶアップデートの適用時に起きる問題を修正パッチ公開で対策し,SSUの自動ダウンロード提供を再開した。SSUは,「Windows Vista Service Pack 1(SP1)」導入前に適用すべきアップデートをまとめたパッケージである。SSUの自動ダウンロードが再び始まったことで,これから大勢のWindows VistaユーザーがWindows Update(WU)経由でWindows Vista SP1を自動的にダウンロードすることになる。

 Microsoftの関係者は「2月に初めて公開したSSUは,適用しようとしたユーザーのごく一部で問題を起こした。今回の修正パッチは,SSU適用中のパソコン再起動を回避することで,SSUのスムーズな適用を実現する」と述べた。

 SSU適用時に再起動を繰り返す問題の苦情を受けたMicrosoftは,SSUの自動ダウンロード提供を中止した。そして,原因を調査し,別のアップデートに存在する問題を見つけて修正した。その結果,WUでSSUとこのアップデートの提供が可能になった。

 Microsoftによると,すでにSSUのダウンロードと適用が完了しているユーザーは,修正パッチを使わなくてよいという。この問題の原因は,SSUそのものでなく,SSUのインストーラにあったようだ。そこで,SSU用インストーラは,SSU適用処理の最初に修正パッチを検索するようになった(つまり,この修正パッチは,SP1導入前に適用すべきアップデートに対する事前適用が必要なアップデートなのだ)。

 「これら二つのアップデート(SSUとSSU用修正パッチ)により,ユーザーは意識することなくWUを使って正しい順番で適用できるようになった。そのため,SSUをまだ適用しておらず,『更新を自動的にインストールする』という設定でWUを使っているユーザーは,特別な操作をしなくてもよい。個別にダウンロードしたWindows Vista SP1を使うユーザーは,われわれの出会った問題と全く関係がない」(MicrosoftのMicrosoft Updateチームによるブログ記事)。

 MicrosoftディレクタであるChris Flores氏のブログ記事には,「Windows Vistaの全対応言語を対象とするSP1提供は,計画通り4月中旬に始める方向で作業を進めている」とあった。これは,2月に発表した当初の予定と変わっていない。