情報処理学会の情報規格調査会は2008年4月9日,Open Ofiice XML(OOXMLまたはOpenXMLと略される)のISO(国際標準化機構)での審議についてのBRM(Ballot Resolution Meeting)報告書を公開した。OOXMLはMicroosft Officeをベースにしたオフィス文書ファイル・フォーマットで,2008年3月29日を期限とする投票でISO標準として承認された(関連記事)。

 日本での審議は情報規格調査会 JTC1/SC34専門委員会で行わている。2008年3月29日を期限とする投票で,日本は前回のコメント付き拒否から賛成に変更している。

 BRMは標準案に寄せられたコメントに対する修正を審議する会議。OOXMLに対するBRMは2008年2月にスイスのジュネーブで行われた。

 公開されたのはBRMに出席した4人の委員による委員による報告書および意見書。4人のうち国際大学の村田真氏は日本からの主要なコメントのうち,対象範囲外とされた1件を除く4件について「満足のいく処置」であると評価しているが,投票をYesとすべきかNoとすべきかについては報告書では意見を述べていない。マイクロソフトの石坂直樹氏はOOXMLのISO化に対しYesとすべきであるとの意見を表明。日本IBMの榎本義彦氏,ジャストシステムの樋浦秀樹氏の2人は現時点ではYesとすべきでないとの意見を表明しており,委員間でも意見の違いがあったことがわかる。

【訂正】
掲載当初「4人のうち国際大学の村田真氏,マイクロソフトの石坂直樹氏の2人はOOXMLのISO化に対しYesとすべきであるとの意見を表明」と記述しておりましたが,正しくは「国際大学の村田真氏は日本からの主要なコメントのうち,対象範囲外とされた1件を除く4件について「満足のいく処置」であると評価しているが,投票をYesとすべきかNoとすべきかについては報告書では意見を述べていない。マイクロソフトの石坂直樹氏はOOXMLのISO化に対しYesとすべきであるとの意見を表明」です。お詫びして訂正させていただきます。[2008.04.10]

 なお,4月10日13時時点で,報告書のひとつであるプレゼン資料は,Internet Explorerの独自アーカイブ形式であるmhtで公開されており,Internet Explorerで閲覧する必要がある。4月10日朝の時点では,報告書掲載ページ自体もmht形式で公開されており,Firefoxで閲覧するにはUnMHTなどのプラグインをインストールする必要があった。

【追記】4月10日14時までに,mhtのプレゼン資料はPDFに置き換えられた。[2008.04.10]

◎関連リンク
2008年2月25日から2月29日に開催されたOOXML BRM報告(社団法人 情報処理学会 情報規格調査会)
JTC1/SC34専門委員会での審議(社団法人 情報処理学会 情報規格調査会)