米Motorolaは米国時間2008年4月9日,同社の非常勤取締役会長として米AT&Tの会長兼CEO(最高経営責任者)だったDavid Dorman氏を任命したと発表した。Motorolaの元CEOで現在非常勤取締役会長を務めているEd Zander氏は,同社が年次株主総会を開催する2008年5月5日付けで退職する。

 Dorman氏は,通信業界28年のベテラン。1980年に米Sprintに入社した後,米Pacific Bellや米Concertなどで幹部職を歴任した。2000年12月にAT&Tの社長に就任し,2002~2005年11月まで同社の会長兼CEOを務めた経歴を持つ。現在は,非公開投資会社の米Warburg Pincusのマネージング・ディレクタ兼シニア・アドバイザを務めている。Motorolaには2006年から同社の取締役会に加わった。

 Motorolaは,2008年の株主総会において新しい取締役員の推薦を予定している。同社は2008年4月7日に,同社株式を6.4%所有する投資家のCarl Icahn氏との一連の争議に関して和解に達したと発表した。和解条件には,Motorolaが2008年の株主総会において,Icahn氏が推す米WR Hambrecht創設者兼CEOのWilliam R. Hambrecht氏と,米Icahn Enterprisesのマネージング・ディレクタを務めるKeith Meister氏の両名を取締役員に推薦するという内容が盛り込まれている(関連記事: Motorolaと“物言う株主”が和解,役員を送り込む)。

発表資料へ