日立製作所は2008年4月9日、大容量データを高速処理するためのミドルウエア群を発表した。中核となるのがすべてのデータをメモリー上に置くことで高速に処理するオンメモリーDBで、日立の研究所で自社開発した。まずは証券業や銀行業など金融機関への導入を想定している。

 特徴は「大量高速データ処理ソリューション」として、オンメモリーDB「uCosminexus TP1/Server Base Extreme Transaction Platform」と関連するミドルウエアを用意し、動作を保証したこと。具体的には(1)逐次発生データをストリーム処理する「uCosminexus Stream Data Platform」、(2)バッチ処理をオンメモリーDB上で実行する「uCosminexus Batch Job Accelerator」、(3)処理性能が不足した際にノードを動的追加する「GemFire Enterprise」--である。

 ストリーム処理の(1)を利用することでバッチ処理を廃止し、市場の状況や保有資産のリスクなどをリアルタイムに把握するシステムを構築可能という。オンメモリーDBもこうしたリアルタイム処理に適用するため、3重化以上の冗長化機能を標準で搭載した。オンメモリーDBの弱点としてサーバーがダウンした際にデータを消失してしまうことがあるからだ。2重化の構成でもダウン後は1系統での運用となってしまう。

 日立は4月10日から、これらのミドルウエアを利用したシステムのコンサルティング/構築支援のサービスを提供する。価格は3000万円程度からだという。バッチ処理の(2)は既に提供しており、オンメモリーDBとグリッド処理の(3)は6月30日、ストリーム処理の(1)は10月31日にそれぞれ提供を開始する。価格はオンメモリーDBが300万円からなど。