写真●ソニックウォールのUTM新製品「NSA 4500」
写真●ソニックウォールのUTM新製品「NSA 4500」
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 ソニックウォールは,価格帯にして100万円前後のミッドレンジに位置するUTM(統合脅威管理)製品の新ラインアップとして,従来機種よりも処理性能を高めた製品2機種を,2008年4月9日に販売開始した。価格は,下位機種「NSA 3500」が79万8000円(税別),上位機種「NSA 4500」が123万円(税別)。開発会社は,米SonicWALL。

 NSA 3500とNSA 4500は,同社のUTM機器の製品ラインのうち,価格帯にして100万円前後,性能にしてファイアウォール使用時のスループットが1G~1.5Gビット/秒に位置するミッドレンジ機種。価格の面でも性能の面でも,2007年12月に販売を開始したハイエンド機種「NSA E-Class」の下位に位置する。

 最大の特徴は,NSA E-Classと同様に,プロセサとして米Cavium NetworksのマルチコアCPUを採用したこと。パケットの処理を複数コアで並列に実行することで,処理性能を高めた。ファイアウォール使用時やVPN使用時のスループットだけでなく,ウイルス対策機能やIPS(侵入防止システム)機能などを使う際にも転送速度の劣化が小さくて済むとしている。

 さらに,ファイアウォール機能の特徴として,アプリケーション・レベルで検知/防御する際に,パケットをメモリー上で再構築するといった手法を使わず,個々のパケット単位でリアルタイムに文字列スキャンなどを実施する。これにより,アプリケーションの種類の違いによる処理性能のばらつきを減らせるなどのメリットがあるという。

 主な仕様は以下の通り。下位機種のNSA 3500は,プロセサが550MHz×4コア。処理性能は,ファイアウォール使用時に1Gビット/秒,ウイルス対策時に310Mビット/秒,IPS使用時に220Mビット/秒,UTM使用時に170Mビット/秒,VPN使用時に625Mビット/秒,など。一方,上位機種のNSA 4500は,プロセサが550MHz×8コア。処理性能は,ファイアウォール使用時に1.5Gビット/秒,ウイルス対策時に500Mビット/秒,IPS使用時に410Mビット/秒,UTM使用時に300Mビット/秒,VPN使用時に845Mビット/秒,など。最大コネクション数12万8000と最大VPNトンネル数800は両機種とも同じ。

 2機種に共通する外観は,ネットワーク・インタフェースが1000/100/10BASE×6。コンソール・ポート×1,USBポート×2。大きさは幅43.18×高さ4.44×奥行33.65センチ・メートルで,重さは5.14キロ・グラム。

 ソニックウォール直下の販売代理店は,以下の4社。NTTアドバンステクノロジ,キヤノンITソリューションズ,ソフトバンクBB,丸紅情報システムズ。