デジタル放送推進協会(Dpa)は2008年4月8日、パソコン向けの地上/BS/CSデジタル放送チューナーの仕様に関するガイドラインを正式発表した。これにより、パソコンに外付けするタイプのデジタル放送チューナーを単体で販売することが正式に認められた。

 デジタル放送の受信機器の仕様については、電波産業会(ARIB)の運用規定により定められている。ただし、汎用機器であるパソコンと外付けチューナー、グラフィックスボード、ディスプレイなどを組み合わせるといった用途については記載がなく、実質的に外付けチューナーの単体販売は難しい状況にあった。今回発表した「PC用デジタル放送チューナのガイドライン」により、外付けチューナーであっても「提供外の他のハードウェアあるいはソフトウェアを組み合わせて、受信機全体の機能を制御及び保証」することを条件に、単体販売を認めることとした。

 メーカー各社などに向けて3月14日付で配布されていたガイドライン案と比較すると、ほぼ当初案通り策定されているが、末尾に補足資料として「本ガイドラインの基本的な考え方」とする1ページの説明が追加されている。この補足説明では主に2つの点に触れている。第1に、ガイドラインの作成中にメーカー各社へヒアリングを実施した際に「現在のコンテンツ保護規定を誤って解釈しているケースもしくは、理解不足のケースが判明した」ことを指摘している。今後こうした誤解が起こらないよう、ガイドラインにおいて現行規定を具体的に説明し直したとしている。第2に、「コンテンツ保護規定に正しく準拠したこれまでの受信機については、何ら変更を求めるものではない」と明記したことである。これにより、現時点で既にビーエス・コンディショナルアクセスシステムズ(B-CAS社)からB-CASカードの発行を受け市販している機器であれば、設計変更などをせず継続して販売できることを担保している。

 このほかのガイドラインの内容は、これまでテレビパソコンなどに適用されているものと基本的に同内容であり、「新たなコンテンツ保護規定(機能要件、保護基準)を追加するものではない」としている。

 ガイドラインの全文は、DpaのWebサイトで公開されている。