米Motorolaと同社株式を6.4%所有する投資家のCarl Icahn氏は米国時間2008年4月7日,Motorolaの取締役員選出や,モバイル・デバイス事業の分社化などに関する一連の争議に関して,両者が和解に達したことを発表した。

 Motorolaは,2008年の株主総会において,Icahn氏が推す米WR Hambrecht創設者兼CEOのWilliam R. Hambrecht氏と,米Icahn Enterprisesエグゼクティブ・オフィサのKeith Meister氏の両名を取締役員に推薦する。また,現在手続きを進めている同社携帯電話事業の分社化(関連記事:Motorola,2009年をめどに携帯電話事業を分離へ)に関しては,重要事項についてIcahn氏の意見を求めることで合意した。なお,Meister氏は直ちに取締役に任命されている。

 一方Icahn氏は,2008年の株主総会で全取締役員候補の選任に合意し,他の株主に対して委任状の勧誘を行わないこと,Motorolaに対するすべての訴訟を取り下げることに同意した(関連記事:物言う投資家Icahn氏がMotorolaを提訴,携帯電話事業の運営に関する資料開示を要請)。

 Icahn氏はMotorolaで2番目の有力株主。昨年は自身が取締役員に選出されるよう,株主に精力的に働きかけていたが実現せず(関連記事:Motorola株主,投資家のIcahn氏を取締役員に選出せず),同社の携帯電話事業が不振に陥ってからは,同社を4事業に分割するべきとの考えを示していた(関連記事:MotorolaがCEO交代を発表,“物言う株主”は同社分割案を提示)。

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