NECは2008年4月7日、シンクライアント・システム「VirtualPCCenter」の新版を発表した。処理量の増減に応じてサーバー上で稼働する仮想PCの台数を増減させることで、消費電力を最大62%低減できる点が特徴だ。

 同社のシンクライアント・システムは仮想PC方式を採用している。サーバー上に仮想的なクライアントPC環境を作り、エンドユーザーが利用する端末と画面情報などをやり取りする。新版では利用者や処理量の増減に応じてサーバー上の仮想PCを増減したり、仮想PCが動作するサーバーを動的に移し替えられるようにした。

 例えば利用者が少ない休日や夜間には一部のサーバーに仮想PC環境を自動的に集約し、残りのサーバーの電源を切断する。効率的にサーバーを運用することで年間消費電力を最大62%削減できる。従来はサーバー上の仮想PC環境を動的に移し替えられなかったため、1台でも仮想PCが動作しているとサーバーを止められなかった。

 システムの価格は1340万円(100ユーザー)から。サーバー3台、仮想化ソフト、100台分の端末と液晶ディスプレイが含まれる。NECはシンクライアント・システムの新版発売に合わせ、2種類のシンクライアント端末「US110E(3万6000円)」「US300(6万2000円)も発売した。