米IBMは米国時間2008年4月3日,ソフトウエア開発ツールを手がけるスウェーデンTelelogicの買収を完了したと発表した。買収金額は8億4500万ドル(50億スウェーデン・クローナ)になる。TelelogicはIBMのRational Software部門に統合され,Telelogic社長兼CEOのAnders Lidbeck氏は退任する予定。ただし,後任が見つかるまでは現職にとどまり,IBMにおいて両社の統合戦略に関わっていく。

 IBMは2007年6月にTelelogicを買収する計画を発表し(関連記事:IBM,ソフト開発ツールのTelelogicを7億4500万ドルで買収へ),Telelogicのすべての発行済株式を対象にした現金による公開買付(TOB)を実施した。今年3月に欧州連合(EU)の欧州委員会(EC)は,両社の合併がソフトウエア開発ツール市場の公正な競争を妨害することはないと判断し,同買収計画を承認した(関連記事:IBM,約7億4500万ドルのTelelogic買収計画を欧州委が承認)。

 Telelogicは,テクニカル・システムおよび企業アーキテクチャの開発ソフトウエアを手がける企業で,世界中に8000社以上の企業顧客を抱えている。従業員数は1200人を超え,世界22カ国で事業所を展開している。

 Telelogicの買収によりIBMは,広範な分野にソフトウエアおよびシステム開発ソリューションを提供できるようになる。消費者家電業界や自動車業界,航空・宇宙,国防関連業界など,さまざまな業界で組み込みシステムのソフトウエア開発に貢献できる,と期待している。

[発表資料]