Intel社Senior Vice President,Digital Enterprise Group General ManagerのPat Gelsinger氏
Intel社Senior Vice President,Digital Enterprise Group General ManagerのPat Gelsinger氏
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 Intel Developer Forum Spring 2008(IDF)の初日の基調講演は,Intel Corp. Senior Vice President,General Manager of Digital Enterprise GroupのPat Gelsinger氏の「Milliwats to Petaflops」で始まった。携帯情報機器向けのマイクロプロセサ「Atom」の発表により,「MID(mobile internet device)からHPC(high-performance computing)まで,すべてのエリアをIA(Intel architecture)でカバーする」と語った。ただし多くの内容は,事前に行われた「Architecture Briefing」と重なっており,あまり新味は感じられなかった。

 Gelsinger氏が語ったテーマは,HPC,次期Xeonプロセサの最上位版である「Dunnington(開発コード名)」,次期 Itaniumプロセサ「Tukwila(同)」,2008年第4四半期に製品を投入する予定のマイクロアーキテクチャ「Nehalem(同)」, Visual Computing向けのアーキテクチャ「Larrabee(同)」,2010年に登場するマイクロプロセサに実装するベクトル演算処理命令「AVX (advanced vector extensions)」である。

 基調講演後に記者向けに説明会が開催され,Larrabeeの優位性に関して「現在のGPUを汎用的な処理に使おうとすると,あまりに制約が大きい。グラフィックス・レンダリングのパイプラインから脱却できていない」(Gelsinger氏)と他社製品をばっさり切り捨てた。IAアーキテクチャを採用することにより,「開発者が非常に大きな自由度が得られる。だからこそ,ソフトウエア開発者からこれまでにない熱狂的な歓迎を受けている」(同氏)と説明した。

 ただGPUが持つ計算力と,マイクロプロセサが持つ汎用処理能力が結びついたものがLarrabeeだとすれば,メイン・プロセサとしても使えるはずだが,「あくまでもIntel社としては,LarrabeeはGPU向けのものとしてしか表明していない。可能性は否定しないが,現在はそのような用途は考えていない」(同氏)とした。