写真1●インテルの吉田和正社長。Atom搭載の端末を手に新しい市場開拓の意気込みを語る
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写真2●Atomを搭載したMIDとUMPC。クラリオン、富士通、松下電器産業、東芝が端末を参考出展した
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写真3●ウィルコムの喜久川政樹社長。近々、Atom搭載のUMPCを発表することを明らかにした
写真3●ウィルコムの喜久川政樹社長。近々、Atom搭載のUMPCを発表することを明らかにした
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 インテルは2008年4月2日、小型で低消費電力の新型プロセサ「Atom」を正式に発表し、Atomを搭載した端末をお披露目した。米インテルが同日、中国・上海で開催中の開発者会議「Intel Developer Forum(IDF)」で発表したのに対応したもの。インテルの吉田和正社長は「Atomを搭載した新しい端末が登場することで、ポケットの中から始まる新しいインターネット体験が実現する。Atomを軸に新たな市場を作り上げたい」と意気込みを語った(写真1)。

 Atomは3月3日に新ブランドとして概要を明らかにしていたもの。プラットフォームのブランド名を「Centrino Atom」と命名した。ポケットに入り身につけられるといった新しい端末のモバイル・インターネット・デバイス(MID)と、パソコン・メーカーが開発中のウルトラ・モバイル・パソコン(UMPC)に搭載する方針だ。Atomを搭載し、高速の無線ネットワーク環境と組み合わせることで、小型の端末でも動画をストリーム再生したり、Googleマップを閲覧するといったパソコンと同等のフルインターネット環境が実現するという。

 技術解説中のデモストレーションでは、Linuxを搭載した開発中の端末を紹介。動画を再生や写真を表示したり、Googleマップ画面を操作したりして、スムーズにアプリケーションが稼働することを示した。

 発表会の会場にはAtomを搭載したMIDやUMPCが並んだ(写真2)。クラリオン、富士通、松下電器産業、東芝と大手メーカーが端末の参考出展社として名を連ね、ビデオメッセージを公開した。さらに、NTTドコモやウィルコムといった大手通信会社が応援に駆け付けた。中でもウィルコムの喜久川政樹社長は「インテルとは07年の5月に都内のホテルで会合を開いた。その時にAtomを搭載した新しい端末を世界に先駆けて発表しようと合意した」というエピソードを紹介(写真3)。近々「Atomを搭載した製品を発表する」(喜久川社長)と言及し、Atom搭載端末で新たな市場開拓に切り込む意気込みを見せた。