米連邦通信委員会(FCC)の委員長を務めるKevin Martin氏は米国時間2008年4月1日,ラスベガスで開催中の「CTIA Wireless 2008」の基調講演を行い,モバイル市場の状況や展望などについて語った。その中で,Martin氏はモバイル通信事業者がオープン化に取り組んでいることを受け,既存の無線ネットワークに対して「Carterfone」規則の適用を求める米eBay傘下のSkypeの申し立てを退ける意向を明らかにした。

 Carterfone規則は,電話ネットワークに害を与えない限り,どのようなデバイスでも接続できるようにするというもの。1968年に電話ネットワークの独占状態の解消を目的として制定された。Skypeは2008年2月にFCCに対して,モバイル通信事業者にもCarterfone規則を適用するように求めていた。

 通信事業者によるオープン化への取り組みとしては,米Verizon Wirelessが全米に展開している携帯電話ネットワークでをオープン化し,任意の端末およびソフトウエアを利用可能なサービス・メニューの提供すると発表している。米T-Mobileや米Sprintがモバイル・デバイス向けのオープンなプラットフォーム開発を目的とした業界団体「Open Handset Alliance」に参加するほか,米AT&Tなどを含め,デバイスとアプリケーションのオープン化に取り組む通信業者が増えているという。

 Martin氏は,「業界がよりオープンなワイヤレス・プラットフォームを採用しようとする中で,今以上の要件を課すのは時期尚早だろう」とコメントしている。

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