国連の世界知的所有権機関(WIPO)の報告によれば,全世界で企業などの商標権を侵害するインターネット・ドメイン名をめぐる紛争が急増している。2007年にWIPOに申し立てられた紛争は2156件で2006年からは18%,2005年からは48%増加している。
2007年の申し立てのうち4分の1は調整委員会の審議を経ることなく和解に至っている。委員会審議による裁定のうち85%のドメイン名は申し立て者へ譲渡され,申し立てが却下されたケースは15%だった。
申し立てが最も多く行われたのは米国で,フランス,英国がこれに続いている。一方申し立ての対象者は米国,英国,中国の順となっている。
2007年には新規ドメイン名の登録後の猶予期間を利用するドメイン名テイスティングも問題化し,ICANNで2008年3月に新ルールの制定を発表したほか,Googleなどの企業では独自に頻繁に新規登録,取り消しを繰り返すドメイン名を広告プログラムから排除する技術の導入を表明している。
WIPO事務次長Francis Gurry氏は,「ドメイン名の不法占拠(サイバースクワッティング)は商標権の侵害だけでなく,一般のインターネット利用者にとっても,クリック課金などのトラブルを引き起こす。インターネット・アドレスの信頼性を揺るがす深刻な問題だ」と警告している。
2007年ドメイン名に関するWIPOへの申し立て件数 |
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出典:WIPO |
2007年ドメイン名に関するWIPOへの申し立て対象件数 |
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出典:WIPO |
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